ジェーンの異変

ある日のこと、あるモールで
ジェーンとリリーと私の三人でベンチでお茶を飲んでいた。
ジェーンがベンチの横でう○こ座りをしてしゃがんでいた。
いきなり「う○ち!!」と叫ぶので慌てて
トイレに連れて行った。
まさかとは思ってはいたけれど、パンツに例のものをしてしまっていた。
こんなこと初めてだったので腹がたって怒ってしまったと思う。
何を言ったかは覚えていない。とにかく衝撃的だった。

次の日、お友達のところへ行った。
子供同士仲良く遊んでいる最中、ジェーンが階段の後ろで静かにいた。
その後トイレというのでいっしょに行くと量は少なかったがう○ちをパンツに
していた。量の問題ではない!とにかくむちゃくちゃ腹が立った。
このとき言ったことははっきり覚えている。
「あんた、赤ちゃんか!またおむつスルンカ?」
あまりにも腹が立ったので傷つくと頭では分かっていたけれど
口が止まらなかった。

次の日、幼稚園から帰ってくると臭う。う○ちの臭い。
「Anybody made a poo?」(誰かう○ちした?)
「No!」ジェーンもリリーも言った。
それでも臭うので2人とものパンツをみると
ジェーンがまたまたしていた。

その日は冷静に対応した。昨日の暴言を反省したからだ。
それと同時にこれは正直ただ事ではないと確信した。
同じことを3日連続。

夜エドワードに話をした。2人でインターネットで調べたところ
”遺糞症”という病気があるのを知った。
ジェーンが果たしてこの病気なのかは分からない。
でも何かのサインなのだ。

4歳以上の子供が一ヶ月に1回以上3ヶ月以上パンツに
う○ちをしてしまった場合、この病気だと診断される。
専門医にかかるべきだと記されていた。

原因は便秘もしくは心理的なもの。
精神的ストレス。言葉の発達が遅く、上手く自分を表現できない。
普段はとても静かでおとなしいタイプによく起こる。
夫婦の不仲、母親が極度にしつけが厳しい家庭に育てられている
子に多い。母親に不信を抱いている場合なども。
このようにかかれていた。涙が出てきた。原因は私かもしれない。

思い当たる節。。。感情をあらわにするタイプではない。言葉数も
少ない。私が妹のリリーに手を焼いてジェーンに我慢ばかりさせている。
リリーを私が怒る声がでかい。それを聞いてジェーンはいやな思いを
している。言葉で言わなくても「あなたはお姉ちゃんだから自分で
やって」と態度で表している。最近忙しかったのでちゃんと接していない。
などなど思い当たる節はいっぱい。

すぐ出来る対策として私と2人で過ごす時間を即座に作ること。
エドワードの案で今日の英語サークルとバレエのクラスを2人で行くこと
にした。たまたまエドワードが午前中で仕事が終わるということで
リリーを見てもらった。

いつもは車だけれど地下鉄に乗って行った。ジェーンはおおはしゃぎだった。
電車の中でも歩いているときもずっと楽しそうにしゃべっていた。
いつもバレエではリリーがぐずるのでじっくり見れないけれど
今日はちゃんと練習の姿をみることができた。
帰りにカフェによってパフェを食べた。
そしてう○ちを漏らして怒ったことを謝った。
「マミーが話に夢中になったり忙しくしてたりで
ちゃんとジェーンのことを見てなくてごめんね。」

楽しいひとときを思い存分楽しんで帰宅した。
家族で団らん中、
「I gotta go a poo!」(う○ち行ってくるわ)
とジェーンがトイレに行った。漏らしてなかった。

不平不満をあまり言って困らせないジェーン。
いやなことがあったりすると泣いて表現
するわけでもない。でも私たちにちゃんと
サインを送ってくれてありがとう。
早く気付いて本当によかった。

子供にとって親の存在はすべてなんだね。
それをきっちり受け止めれる母親で
いたい。完璧にはなれないけれど
親を必要とするこの時期は何よりも
子供のことを優先させようと思った。

またデートしようねというと
「うん!」と嬉しそうな顔で返事をくれた。

つくづく親ということを考えさせられた出来事だった。

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